尿管結石について

尿管結石とは

腎臓と膀胱をつないでいる 尿管(非常に細い管)に結石が詰まる病気です。猫の尿管は 直径1mm、内腔0.4mmと非常に細く、詰まりやすいため注意が必要です。尿管が詰まってしまう原因として、尿管結石、炎症産物、尿管の線維化などがあります。

尿管閉塞が起きると、尿が腎臓から流れなくなり、放置すると急性腎障害 、両側が詰まると数日で命に関わる重篤な状態に陥ります。

症状は次のようなものが多いです:
・食欲不振、元気がない
・嘔吐、吐き気
・排尿量の減少
・活動性の低下
・触ると腰やお腹を嫌がる
・脱水、体重減少
※軽度の詰まりでは ほとんど症状が出ないこともあります。

診断は、血液検査、X線検査、超音波検査、CT検査などを用います。

治療

猫の尿管結石は、薬や点滴で溶かしたり、流すのは非常に困難なため、ほとんどの場合は外科的治療が優先されます。

▼ 内科治療(できる場合)
・点滴で尿量を増やし押し流す
・尿管を緩めるお薬
・感染を疑う場合は抗生物質

●外科治療(多くのケースで選択肢に)
詰まりが改善しない、腎機能が悪化している場合は外科が検討されます。
当院では、尿管切開術、尿管膀胱新吻合術、腎瘻チューブを組み合わせて治療を行います。
近年、人工チューブを用いて尿の迂回路をつくる手術を行う施設が増えていますが、長期的な合併症の観点から当院ではお勧めはしておりません。

尿管切開術;閉塞の原因となる結石を取り除く術式

尿管膀胱新吻合術;結石を取り除き、その場所で膀胱につなぎ直す術式で、新しい結石により再閉塞が予想される場合に行います。

腎結石摘出;条件が合えば、切開した穴から内視鏡を用いて腎結石を除去します。

腎瘻チューブ;状態が悪い症例は、尿を体外に出すチューブを緊急的に設置する場合があります。

入院期間:4〜7日(状況によって長くなります。)術後は尿の漏出が起こりますので、漏れがなくなるまで入院となります。

尿管結石でお困りの場合は、当院へご相談ください。

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