遊離皮膚移植、手根、皮下腫瘍
2025.06.08

こんにちは、獣医師の永井です。
今回は、皮膚移植についてです。
急に手首が腫れてきたワンちゃんが、かかりつけの先生より紹介され来院されました。手首に4センチほどの出来物があり、かかりつけの先生が細胞診を行ったところ、悪性腫瘍の疑いが強いと言われたそうです。
命を守るためには断脚という治療も選択肢になる中で、動くのが大好きな子の脚をなんとか残せないか、とのことで来院されました。
実際に診てみると、非常に大きな腫瘍が皮膚の下にできていました。骨や関節に入っていた場合は、断脚を選ばざるを得ません。慎重にX線検査や超音波検査を行って、骨や関節には入っていないと思われたため、広範囲切除と遊離皮膚移植を選択することにしました。
細胞診検査

腫瘍の周りを十分な余白をもって切除し、脇腹の皮膚を同じ形に切りとって、排液口をいくつもあけて、縫合しました。
その後、陰圧閉鎖療法という特殊な機器を繋げる治療を行い、4日ごとに手術部位を確認しました。
苦手な方のために、一部の写真の色味を変えています。


↑ 手術前

↑ 術後

↑ 10日後

↑ 15日後

↑ 20日後
とってもキレイに治りました!!
病理検査は、非上皮系悪性腫瘍でした。
結構悪い細胞のようで、その後抗がん剤を4回投与。
8ヶ月ほど経ちますが、再発や転移はありません。
よく頑張ったね!!