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胆嚢炎、黄疸、胆嚢切除

こんにちは。獣医師の依田です。

今回は、お腹の症状で来院されたわんちゃんの紹介です。

3日間ほど嘔吐が続いていて、いつもより少し元気がない症状で来院されました。血液検査では炎症の数値が高く、肝臓、胆嚢の数値も高く軽度の黄疸も呈していました。

エコーでお腹の中を確認したところ、胆嚢破裂や胆管閉塞などは見られなかったこと、胆嚢の壁が厚くなっていたことから胆嚢炎が最も疑わしく、抗生物質を使っての入院管理をさせてもらいました。

すると次の日には黄疸の数値が一気に上がっていて、胆嚢から小腸へ胆汁が流れる総胆管が昨日よりも拡張していました。

CTを撮ったところ、胆嚢内、総胆管内に胆石のようなものが見られ、完全には詰まっていなくても流れが悪そうな所見でした。抗生物質で感染や炎症を取り除くには時間がかかり、感染の元となっていてそのままだと完全に詰まってしまうかもしれないので、胆嚢切除術を実施しました。取った胆嚢の中にはドロドロの胆汁と、胆石ではなく胆汁が固まったようなものが複数ありました。

その後は黄疸、炎症の数値も改善していき、症状も良くなりご飯もたくさん食べてくれたので5日間の入院で無事退院できました。

取った胆嚢の病理診断は慢性胆嚢炎で、接している肝臓も化膿性胆管肝炎という結果が返ってきました。

しばらく抗生物質を飲みながら通院していただきましたが、元気になってよかったです。

慢性胆嚢炎ということで、症状は急でしたが炎症自体は長くあったのかもしれないです。健康に見えても日頃の健康診断も大切だなと感じました。

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