湘南かまくら動物整形外科センター 診療案内

DIAGNOSIS

整形外科専門外来を設けるにあたって

約四半世紀前、私が整形外科治療に従事し始めた頃、犬猫整形外科の主な治療は外傷による骨折でした。現在は犬猫たちがどんどん長生きできるようになり高齢化がすすみ、人同様に加齢による関節疾患などが加わり急速に整形外科分野における治療の多様化が求められるようになっています。
古くから生活のパートナーとして犬猫との関係を築いてきた欧米の国々においては、スポーツドッグメディスン(注)という分野での医療技術が発展し、運動能力の回復を目的にした治療が強く望まれるようになっています。家族の一員として、元気な状態で長く居て欲しいと思う気持ちは皆同じです。
私は、開業当初から、一般診療とともに、このスポーツドッグメディスンの考えに基づいて治療を行なってきました。この分野の医療技術は、飛躍的に発展し世界中において日々変化しています。その為、地域の飼い主様はもとより治療従事者にもこの情報を共有し、地域ぐるみで行える治療環境を作るにはどうしたら良いか?日々考えています。
地域の町病院として行わなければいけない責務も果たしつつ、専門としての整形外科分野を提供すること、この二つをしっかりと行うことが重要であるという思いです。 この湘南の地において、多くの犬猫達が皆元気に走り回って思う存分遊べるようになるよう治療に従事していく所存です。

注)スポーツドッグメディスンとは、犬をペットとしてだけではなく、その子達の本来の運動能力を高めるような競技や遊び(フリスビー、アジリティー、働く犬達、猟犬など)を行っている犬達に対する医療のこと。

【特徴】

犬猫整形外科全般に特化した対応。
整形外科とリハビリテーション科の専門のチームが対応します。

整形外科治療におけるリハビリ治療の重要性

整形外科治療の骨幹は、このリハビリ治療であると言っても過言ではありません。本院では、数々の高度な整形外科手術を行っていますが、リハビリ治療無くして、術後経過の円滑な改善、本来の機能回復はあり得ないと考えられます。
動物医療においても、人医療と変わらず、治療の一環として、また術後のケアとしてリハビリテーションはとても重要です。術後直後からの迅速な対応は、やはり専門的な知識がないと逆効果になることもあります。本院では、15年間行ってきているリハビリテーションの経験を生かし、動物専門のリハビリテーション資格を持った獣医師と看護師とチームにより、高齢犬や神経・整形外科術後の犬猫の機能回復などの治療に対応しています。

‘’歩ければいいではなく、
しっかりと動けるようにする医療。‘’

診療案内

  • 整形外科

    犬猫の、本来あるべき元気で活発な動きを守るために、各種検査を行ない、体のどの部分が悪いのかを診断します。当院では、各種手術やリハビリなどの治療を行なうための設備を整えております。
    また、神経疾患の対応もしており、痛みを早期に取り除き、機能回復が出来るよう治療をおこないます。本院では、外傷性の神経疾患、慢性的な腰痛や歩行障害などにも対応できる設備を整えております。

    各種骨折
    関節疾患(股関節形成不全症 外傷性股関節脱臼、膝蓋骨脱臼、肘関節形成不全症 手根骨脱臼、外傷性肩関節脱臼 前十字靭帯損傷)
    椎間板ヘルニア(急性頚椎椎間板ヘルニア、急性腰椎椎間板ヘルニア、慢性の椎間板ヘルニア、環軸不安定症、馬尾不安定症)

    膝蓋骨脱臼(内方・外方脱臼・人口滑車溝)

    膝蓋骨脱臼とは、“膝のお皿”が本来あるべき溝にとどまる事ができず脱臼してしまう病気です。
    犬においてみられる代表的な膝関節の病気で、特にトイプードルを中心とした小型犬によくみられます。
    また、犬ほど多くはありませんがアビシニアンなどの猫にもみられる事があります。症状は段階によって異なり、びっこを引いたり、間欠的に脚を着かなかったりする事が多く見られます。
    慢性化している場合は症状が現れない事もあり、検診の時に偶然見つけられる事もあります。
    特に習慣的に脱臼する場合、無症状のまま病気が進行していくので、早期の治療が重要です。
    病気についての詳細はこちら→

    十字靭帯損傷
    (関節鏡検査・TTA・TPLO)

    十字靭帯損傷とは、犬においてみられる代表的な膝関節の病気で、主に6歳以上の犬に多く見られます。
    運動中の外傷だけでなく、加齢により靭帯が弱まって断裂することもあります。
    靭帯が完全に断裂している場合は、跛行などの症状が見られますが、部分断裂の場合は痛みが緩和され普通に歩ける場合もあります。
    症状が見られなくても関節炎の症状は進行してしまうので、少しでも歩き方に違和感を感じたら、検査を受けましょう。
    病気についての詳細はこちら→

    股関節形成不全症
    (THR・DPO・TPO・FHO)

    股関節形成不全症は、成長期における股関節の発育異常によるもので、大型犬のみではなく、小型犬、時には猫でも見られます。
    関節のはまり具合が浅くなると、関節が不安定になり、歩き方にも影響が見られます。
    多くが痛みを伴わず症状も一時的な場合もありますが、病気は進行し関節軟骨がすり減る事で、変形性関節症を併発し、痛みが原因で様々な症状が現れることもあります。
    治療は内科療法、外科手術、リハビリを組み合わせて行ないます。
    病気についての詳細はこちら→

    肘関節疾患(CUE・PAUL)

    肘関節疾患は、成長期における肘関節の形成異常が原因であると考えられており、代表的な犬種は、ラブラドールレトリバーやバーニーズマウンテンドッグなどです。
    肘関節の軟骨の浪費によって関節炎が悪化し、症状が現れることを防ぐために、成長と共に計画的に行なう手術や、人工的な関節を埋没する手術を行なう事もあります。
    体重の増加によって関節に過度の負担がかかるため、関節の保護のためにも体重管理が治療の重要なポイントです。
    病気についての詳細はこちら→

    神経疾患(椎間板ヘルニア・環軸不安定症・PLDD)

    神経疾患の痛みによって運動機能が低下し、病状が悪化してしまう恐れがあるため、早期に痛みを取り除き、機能回復をするための治療を行ないます。
    “歩き方が不安定になった”、”腰が抜けて立てなくなった“などの症状が見られたら、脊椎など神経への障害が考えられます。早期治療が重要なので、少しでも気になる様子が見られたら、ご来院ください。
    また術後のリハビリにも力を入れており、術後のケアも当院で行なう事が可能です。

  • リハビリ科

    当院において整形・神経外科手術を行う場合、術前・術中鎮痛のほかに術後の痛みや浮腫の軽減・損傷部位の早期回復を目標に手術後からのリハビリテーションを行っております。
    患者さんの個々の状況にあわせて鎮痛剤の組み合わせの選択をし、おこなうリハビリの内容も計画します。
    院内でのリハビリは主にLASER・EMS・USなどの機器を使用したり、用手による療法やボールを使った運動などを行います。
    抜糸後、症例によっては水中運動(UWT)によるリハビリを行うことも可能です。
    また、手術を行えない症例や老齢犬の慢性関節炎にたいしても同様のリハビリを行うことにより普段の生活のQOLを維持または向上できる場合もあります。
    いずれにしても、院内のリハビリテーションだけでなく日常生活で無理なくできる運動を日々続けることが重要なので、家でできるリハビリの方法を提示させていただき、それを試しながら通院リハビリと合わせて療法を行っていきます。

    LASER(低出力レベルレーザー療法)

    治療目的で使用されるレーザーの効果として、疼痛の緩和・炎症の軽減・微小循環の増加により治癒の促進が期待できます。
    術後の内出血や浮腫の軽減、鎮痛、手術部位の早期治癒目的のほか、慢性関節炎の疼痛緩和や椎間板ヘルニアや末梢神経障害の症例などでも効果的です。
    当院で使用しているレーザー機器は低出力レーザーの中では最も強度の高いクラス4治療用レーザーを用いております。
    これにより、より短い時間で確実に患部への照射が可能となりました。

    NMES・TENS(神経筋電気刺激療法)

    主に神経筋機能不全・疼痛管理として使用しています。

    PEMF療法(Pulse Electromagnetic Field)

    当院ではマッサージやレーザー等の療法を行う際に特殊な磁場マットを使用しております。
    医療目的での静磁場の使用は人で多く行われており、動物での使用も一般的になってきました。
    静磁場は局所の血流量の増加や痛みの軽減、治癒促進や抗炎症効果、融合不全の骨折の治癒改善などの効果が期待されます。

    US(超音波療法)

    超音波による深部温熱作用はコラーゲンの伸展性や血流量の増大や筋の痙攣を減少させる効果があるので腱鞘炎や関節拘縮時に超音波療法を行います。
    関節拘縮時は超音波療法を行ってからストレッチを行います。
    また、二頭筋腱炎時もレーザーと併用するとより効果的です。

    UWT(アンダーウォータートレッドミル)を用いた水中歩行

    水療法のメリットとして、浮力による関節への体重負荷が軽減した状態での運動ができることと、陸上の運動に比べ関節の屈曲と伸展できる範囲が増大します。静水圧による末梢循環の改善により関節の浮腫や局所のむくみが軽減したり痛みの軽減にもなります。
    整形外科手術後や椎間板ヘルニアの手術後、また、老年性の歩行改善を目的として患者さんの個々の状況に応じて院内でできるリハビリと組み合わせて行ないます。
    当院のUWTはヨーロッパで幅広く導入されているドイツ、KEIPER社のWATER WALKERを使用しております。
    大型犬では体重50kgまで対応可能です。

湘南かまくら動物整形外科センター 診療情報

TOP