お知らせ

NEWS/TOPICS

脊髄造影検査 椎間板ヘルニア手術の流れ

・椎間板ヘルニアとは
椎間板ヘルニアはクッションの役割をしている「椎間板の髄核が逸脱」し、脊髄や神経根を圧迫することで、痛みや麻痺症状(脚を引きずる など)を示す疾患です。症状に応じてグレード(段階)が分けられます。頸部の椎間板ヘルニアでは、頸部痛(首を振るのを嫌がる)・四肢の麻痺 などの症状も見られます。軽度の痛みであれば、消炎剤の服用やケージレスト(安静)で症状が改善することが見込まれますが、症状が重度になれば外科的治療によって治療を行います。

グレード1 軽度の痛み / グレード2 軽度の麻痺(起立困難・歩行障害) / グレード3〜5 重度の麻痺・排尿困難・痛覚消失 など

椎間板が圧迫している場所や、どの程度圧迫しているのかを特定するには、CT検査やMRI検査が必要になります。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

当院では、椎間板ヘルニアが疑われた場合、「CT造影検査・外科手術・PLDD・術後のリハビリ」を一貫して行うことが可能です。


<CT検査 脊髄造影検査>
椎間板による圧迫部位を特定するためにCT検査並びに脊髄造影検査を行います。造影剤の浸透が不十分な部位が認められた場合、そこがヘルニアを起こしている部位だと疑われます。

レントゲン透視装置で確認しながら、第6−7腰椎 背側椎間孔よりスパイナル針を刺入し、造影剤を投与します。

 

レントゲン透視装置では、脊柱管内に投与された造影剤が、黒く映し出されています。

 

造影剤投与後のCT画像です。脊柱管内の濃い白で映し出されている部分が造影剤です。

本症例では矢印で示されている
『第12-13胸椎・第13胸椎-第1腰椎・第1-2腰椎』 において、圧迫病変が確認されました。
(左画像)第12-13胸椎より頭側(左側)において造影剤の浸透が不十分であると確認されましたので、
片側椎弓切除手術を行いました。

<胸・腰部 椎間板ヘルニア手術:片側椎弓切除手術>
手術部位;圧迫が重度であった『第12-13胸椎』(やや右側からの圧迫)
・手術は関節突起の腹側を切除するミニアプローチを実施し、椎間板物質を取り除く手術を行いました。
 *胸腰部の椎間板ヘルニアの好発部位は第11胸椎〜第3腰椎で発生し、
第12-13胸椎と第13胸椎-第1腰椎で最も多く発生すると報告されいます。

<頸部椎間板ヘルニア手術:頸部腹側減圧術(ベントラルスロット)>
頸部の腹側の皮膚を切開し、気管・神経・頸動脈などを避けながら頚椎へアプローチをします。整形外科用の掘削バーを使用してスロットを作成し、頸部の脊髄を圧迫している椎間板を除去することで、脊髄への減圧を行います。

 

<PLDD>
手術部位以外に、椎間板による軽度の圧迫が認められた部位は、
PLDD(Percutaneous Laser Disc Decompression経皮的レーザー椎間板減圧術)
を併用することで再発率を抑えることができます。

レントゲン透視装置を用いて針先の位置を決定後、レーザーファイバーを刺入しレーザーを照射します。軽度に逸脱した椎間板の髄核を蒸散させることで、椎間板を縮小させ、神経への圧迫を減圧することが目的です。


レントゲン透視装置で確認しながら、スパイナル針の先端が椎間板に当たるように設置します。

照射前に針先の位置を確認し、レーザーファイバー(青)を挿入し、患部へのレーザー照射を行います。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

以上が、CT検査(脊髄造影検査)から外科手術(片側椎弓切除手術・頸部腹側減圧術) 並びに PLDD の流れとなります。
術後のリハビリテーションを行うことで、運動機能がさらに回復することが見込まれます。
当院では「水中トレッドミル・レーザー療法・電気療法・徒手療法 など」のリハビリを行っております。

詳しくは「看護師ブログ Part : 1 椎間板ヘルニアのリハビリ ・ 看護師ブログ Part : 5 重度の椎間板ヘルニアに対するリハビリ」をご覧ください。

TOP