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ケースレポート No.1 股関節人工関節全置換術

 

犬種:Mix (トイプードル × ヨークシャーテリア )  体重:4.0kg

診断:右後肢 大腿骨頭壊死症(レッグ・ペルテス症)

2021年8月1日 右 : 股関節人工関節全置換術 実施 ( KYON社   mini THR  )

 

術前レントゲン画像

術後レントゲン画像

術後は2週間、院内でケージレスト管理のもと、アイシングやレーザー療法を行いました。 ケージ内では手術翌日から立って動き回り、徐々に足を着くようになりました。退院が近づくにつれてケージ内での動きもやや活発になり、しっかりと足を着地して退院されました。

 

術後7週 レントゲン画像

自宅での様子

術後7週での検診を行い、インプラントにも問題はなく経過は順調です。 ご自宅での様子を撮影して頂きました。患肢をしっかりと着地し、左右の足の違和感も無いように思います。階段の上り下りも問題なく、別の動画ではクッションで楽しそうに遊ぶ様子も見させていただきました。

 

術後12週 レントゲン画像

術後12週 歩様(院外にて)

 

左右の足のバランスも違和感なく、一見するとどちらを手術したのか分からないくらい、力強く歩いています。

次回は術後6ヶ月での検診予定です。

 

術後のレントゲン画像の比較です。

術前では右大腿部の筋肉が左大腿部と比べるとやや菲薄化しています。術前は右後肢をあまり使用しなかったためか、筋肉が衰えてしまったと考えられますが、術後7週にして筋肉量がやや増しているのがレントゲンで確認できます。歩様は一見すると左右とも問題なさそうに動かしていますが、やや左重心になっているように感じられました。術後12週に至っては、左後肢とほぼ変わりないくらいに筋肉量が増しており、先の動画のように両後肢の機能に大きく影響は見られず、重心も左右のバランスが取れているように感じられます。また右腸骨外側の腸腰筋も、筋肉量が低下しているものと思われ、術前のレントゲンでは左後肢と比べると薄く写っておりますが、徐々に筋肉量が増えてきたことによって、術後12週のレントゲンでしっかりと確認できるようになってきました。

 

大腿骨頭壊死症(レッグ・ペルテス症)において、「大腿骨頭切除術」が古くから行われていた治療方法ですが、多くの場合で術後の機能回復に課題が残ることがあります。患肢を使用したがらず、筋肉量が低下してしまうため、機能回復のために長期間に及ぶリハビリが必要となります。若齢で大腿骨頭切除術を行なった場合、今後は一生股関節が無い状態での生活となるため、在宅でもリハビリを続けていく必要があります。

一方、股関節人工関節全置換術を行なった場合はリハビリを行わず、もちろん激しい運動は控える必要がありますが、日常生活の中で徐々に股関節が軟部組織で安定化するのを待ちます。本症例のように、小型犬の場合は術後3ヶ月程度で、小走りをしたり小さな階段を登ったりと、運動機能に大きな改善が見込めます。また比較的早期に後肢を使用することができるため、日常生活を送る中でも筋肉量が増加していることが分かります。3ヶ月を過ぎると、股関節がだいぶ安定するようになるため、普段と変わらない日常生活を送ることができるようになるのが、この手術の大きなメリットです。

術後も注意して経過を観察する必要がありますが、ワンちゃん自身、また飼い主様からの視点でも、今後の生活をより良いものとすることができる治療方法だと思いますので、経過と合わせてご紹介いたしました。

 

大腿骨頭壊死症(レッグ・ペルテス症)にかんする記述はこちら

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